1月14日は成人の日。毎年、若者たちが華やかな振り袖姿やりりしい袴姿で私たちの目を楽しませてくれます。
お正月や成人式でなにかと着物姿の人を見かけるこの季節にぜひ手に取ってもらいたいのが「歌舞伎のかわいい衣裳図鑑」です。歌舞伎に登場する美しい着物はもちろん、傘やキセル、履物などの小物にも着目し、衣裳を通して歌舞伎の魅力を伝える一冊になっています。
目にも鮮やかな着物の数々は見ているだけでも楽しめますが、衣裳を見れば役柄や身分、時代背景も見えてくるというのが歌舞伎の衣裳の奥深いところ。
たとえば、緋色の着物は高貴な女性がまとうものなんだとか。歌舞伎の姫役は、緋色の着物を着ていることが多いことから、「赤姫」と呼ばれるのだそうです。
また、歌舞伎ならではの“びっくりコーデ”があるというのも面白いところです。大胆な色や柄の組み合わせは、ふだんは着こなすことは難しそうですが、照明が当たった舞台上で最も美しく見えることを考えてのコーディネート。劇場に足を運んで、その舞台映えのほどを確認してみたくなります。
著者の君野倫子さん曰く「写真で見る何倍も、何十倍も舞台で見る衣裳は素敵」とのこと。本書で歌舞伎衣裳のチェックポイントを確認して、歌舞伎デビューと洒落込んでみてはいかがでしょうか?