先月、13組の同性カップルが、日本でも法律的に同性婚が認められるよう求めて提訴した。国際的な流れに後れをとってきた日本は、どうすればこれを実現できるか。
フランスの法社会学者イレーヌ・テリーが書いた『フランスの同性婚と親子関係』(明石書店・2700円)は、大きな示唆を与えてくれる。フランスも、政治や社会に根強い「伝統的な家族観」の中を掘り進めるように法改正を重ね、ようやく2013年に同性婚を合法化した「みんなのための結婚法」を成立させたからだ。
本書は、1804年にナポレオン法典が「(異性)結婚による家族」を社会の基盤と定めて以来、フランスがどのように男女平等や、婚姻内外のすべての子どもの平等、LGBT運動、生殖補助医療の発展に向き合い、法制度を改めてきたか歴史をひもときながら示す。社会は大きく変わったが、「宗教と結婚は消滅せず、信用も失わなかった」という指摘は、ある価値観を守るために誰かを犠牲にする必要はない、ということを教えてくれる。(藤田さつき)=朝日新聞2019年3月23日掲載
編集部一押し!
-
売れてる本 凪良ゆう、瀬尾まいこ、坂木司、一穂ミチ、三浦しをん著「本屋さんのある街で」 人生が交差する町の止まり木 山下
-
-
わたしの大切な本 お笑いコンビ「ラランド」ニシダさんの大切な本 他者を理解する 最高のエンタメ
-
-
とりあえず、茶を。 眠い季節 千早茜 千早茜
-
インタビュー 美村里江さんが言葉を紡いだ絵本「お花のこどもたち366」 十人十色のおしゃべりに耳を澄ませて 加治佐志津
-
中江有里の「開け!本の扉。ときどき野球も」 自分の言葉は人を貶めるより自分を鼓舞するほうがいい 「さみしい夜にはペンを持て」のタコジローの変化に思う 中江有里 中江有里
-
一穂ミチの日々漫画 増村十七「進め!白鼻進」 漫画家の戦争協力、他人事ではない危うさ(第15回) 一穂ミチ
-
トピック 【PR 光文社・創英社・みすず書房・ミネルヴァ書房】プレゼント 朝日新聞1面広告の本、好書好日メルマガ読者計20名様に
-
コラム 「海をわたる言葉 翻訳家ふたりの往復書簡」中江有里さん書評 出逢いの不思議が生んだもう一つの〝家族〟 PR by 集英社
-
トピック 【プレゼント】柄谷行人さん最新作「私の謎 柄谷行人回想録」好書好日メルマガ読者10名様に PR by 講談社
-
インタビュー 平石さなぎさん「ギアをあげて、風を鳴らして」インタビュー 描いてわかった「シスターフッド小説」の魅力 PR by 集英社
-
インタビュー 江國香織さん「外の世界の話を聞かせて」インタビュー 頭の風通し良く、気持ちさっぱり自由になって PR by 集英社
-
インタビュー 【サイン入り本プレゼント】一木けいさん「嵐の中で踊れ」インタビュー 避難所で起きた再生の群像劇 PR by NHK出版