突然ですが、4月28日は「缶ジュースの日」。1954年(昭和29年)のこの日に日本初となる缶ジュースが明治製菓から発売されたことが由来だそうです。そんな缶ジュースに思いをはせるべく、今回は「懐かしの空き缶大図鑑」を紹介します。
著者はバンド「たま」のパーカッション担当でランニング姿が印象的な石川浩司さん。「たま」デビューとほぼ時を同じくして収集し始めたという、空き缶コレクション「缶コレ」の数はおよそ3万缶にものぼり、石川さん本人もコレクションの全貌を見たことはないといいます。本書ではそんな膨大な缶コレの中から、石川さんが選んだ650缶あまりを惜しみなく披露。缶コレを「味」「郷土」「スポーツ」「ネーミング」など8つのテーマごとに分類し、各テーマの缶にまつわる思い出をつづった石川さんのエッセイと共に収録しています。
昭和から平成の34年間に及ぶ缶コレで、時代を振り返ることができるのも本書の魅力の一つ。ティラミスやナタ・デ・ココ味のドリンクがあったり、ダジャレ要素が強めのネーミングやレトロなデザインのものがあったりと、空き缶は時代を映す鏡なのだと気づかされます。
石川さんの缶コレのすごいところが、空き缶を人からもらったり、オークションで手に入れたりするのではなく、できるだけ自分の足で探し、必ず自分で飲んだものを集めてきたというところ。本書に並ぶ全てのドリンクが石川さんの血肉になったのだと思うと、感慨深いものがあります。まさに体を張ったコレクションです。
初夏の兆しが感じられる今日この頃。水分補給も兼ねて行く先々の自販機をチェックしてみるのも楽しそうです。ちょっと変わった缶ドリンクを発見、なんてこともあるかもしれません。