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「ズッコケ三人組」那須正幹さん、しのぶ会に編集者ら 「目線はいつも子どもの中」

人気シリーズ「ズッコケ三人組」などのキャラクターに囲まれた那須正幹さんの祭壇=東京都千代田区

 「ズッコケ三人組」は博識な「ハカセ」、おっちょこちょいの「ハチベエ」、おっとり「モーちゃん」の小学6年生トリオが主人公。1978年に刊行された『それいけズッコケ三人組』に始まり、2015年の『ズッコケ熟年三人組』で完結した全61巻のシリーズは累計2500万部を超え、子どもたちや、子どもの頃に愛読した大人たちから支持され続けた。

 2巻以降32年にわたって担当したポプラ社の元編集者、井澤みよ子さんは「先生の目線はいつも子どもの中にありました」と話した。数多く届くファンレターには必ず返事を書き、自宅を突然訪問した読者にも優しく対応したという。子どもたちから「次はいつ出るの」と質問が殺到し、あとがきで次巻の書名を予告することになった。「前代未聞のこと。でも那須先生は必ずしめきりを守ってくださった」

 那須さんの妻、美佐子さんは「夫の両親はちょうど79であちらに逝きました。79歳のお誕生日を迎えた6月に『僕もおやじとお袋が亡くなった年になってしまったなあ』と言った途端、7月にさっさと逝ってしまった」と振り返った。「これからも、どうぞ忘れずに本を読んでやってくださいませ」とあいさつした。

 11月には、「ズッコケ三人組」版元のポプラ社から那須さんの作品を読み解く『那須正幹の大研究』(仮題)が刊行される。(興野優平)=朝日新聞2022年8月3日掲載

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