超絶技巧で写真そっくりに描く写実絵画の人気が高い。1928年生まれの上田薫は、その先駆的な一人だろう。この画集には、70年から近作までがぎっしり詰まっている。
女性像などを写実的に表現する画家も多いなか、上田が描くのは、卵やジャム、サラダといったモノだ。多くは光をはらんできらきらと輝く。幕末維新のころ、高橋由一らは、質感表現に優れた油絵に心奪われた。モノの表面の質感と光に集中する上田は、由一ら以来の系譜にあるともいえそうだ。(大西若人)=朝日新聞2018年9月8日掲載
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