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女性が経営する「女性の本屋」4店。こんな世の中だからこそ、本を探しに訪ねて行きたい

新代田「エトセトラブックス」

右からデザイナーの福岡南央子さん、代表の松尾亜紀子さん、店長の寺島さやかさん、編集&スタッフの竹花帯子さん。

 京王井の頭線新代田駅近くにある「エトセトラブックス」は、木~土曜の12時から20時だけ営業している専門書店。フェミニズムをテーマにした新刊から古書までが幅広く並んでいます。もう一つの顔はフェミニズムをテーマにした書籍を扱う出版社。

 店名は作家の松田青子さんが付けてくれた名前で「etc.=等々」として「その他大勢」扱いされてきた女性たちの、今まで拾われることのなかった声を届けていきたい思いを込めています。新代田に書店がないので、ふらりと立ち寄る人も増えてきているとか。

 エトセトラブックス(東京) 本でつながる女性たちが週に3日開く、みんなのフェミニズム専門書店(好書好日)

分倍河原「マルジナリア書店」

マルジナリア書店はよはく舎でもあるので、レジ左側は小林さんの編集スペースになっている。

 2021年に京王線・JR南武線の分倍河原駅前にオープンしたばかりの「マルジナリア書店」。ビルの3階の店からは晴れた日に富士山が見えるとか。こちらも代表の小林えみさんが経営する出版社「よはく舎」とスペースを兼ねています。毎週火・土曜日に販売する聖蹟桜ケ丘「ハグジードーナツ」のドーナツも人気。

 3月には、30歳以下を対象に人文書を選んでもらう投票イベント「アンダー29.5人文書大賞」を開催するなど、若い人にも深く刺さる本を広めようと奮闘中。「『図書館も含めてあらかた本は読んでしまったけれど、ここに来るとまだ読んでない本と出合える』とおっしゃる方が来てくださるのが嬉しくて。本が好きな人はどこの街にもいることがよくわかりました」

 分倍河原マルジナリア書店(東京) 本屋の空白を10年ぶり埋めた、ドーナツと人文書大賞と(好書好日)

HMV &BOOKS 日比谷コテージ

HMV &BOOKS HIBIYA COTTAGE(日比谷コテージ)の店長、花田菜々子さん

 2018年3月にオープンしたHMV &BOOKS日比谷コテージは、「すべての女性を応援する」とうたう、女性のための本屋。店長の花田菜々子さんと、「新井賞」でおなじみ店員の新井見枝香さんらが「ときには哲学的に、女性とは、女性向けとは何なのか」と考えて選んだ本が並んでいます。

 演劇・映画好きの女性も多く集まる日比谷の一等地。 「女性はみんな輝かなければと言われていました。『女子力』という言葉もそうですが、人に強制されるものでもありません。そんな時代が終わろうとしているように思います。自分の人生をどう楽しむか決めるプロデューサーは常に自分。でも主役を誰にするかは自分で決めていい。お客様との“対話”によって教えてもらったことかもしれません」

 “すべての女性を応援する本屋”でカリスマ書店員が向き合う「現代と女性」:HMV&BOOKS日比谷コテージ(じんぶん堂)

札幌「かの書房&ラボラトリー・ハコ」

かの書房の加納あすかさん(左)と、ラボラトリー・ハコの山田真奈美さん(右)。世のルッキズムに反対すべく顔出しはなし。

 最後は飛んで北海道へ。札幌市中心部の市電「西線6条」電停から歩いて1分にあるこの店は、かの書房の加納あすかさんと、ラボラトリー・ハコの山田真奈美さんによる「シェア本屋」。売り上げは同じレジに預け、それぞれ日の売り上げから分けていくとか。

 絵本の他に、小説や雑誌、エンタメや文庫などが並ぶ店内。レジ前にはコーヒーやグラノーラなども並んでいます。ゴロゴロしながら本が読めるスペースなど、ゆったりした時間が流れる空間です。

 かの書房&ラボラトリー・ハコ(北海道) 「シェアハウス本屋」で幅が広がる女性2人の相乗効果(好書好日)