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東野圭吾さん、作家や俳優らが悼む 「時代築いた」「懐の大きな方」

日本ミステリー文学大賞を受けた東野圭吾さん=2025年3月、野波健祐撮影

 7月23日に亡くなった東野圭吾さんの訃報(ふほう)を受け、同じく直木賞を受賞している作家仲間から哀悼の声が上がった。

 直木賞の選考委員をともに務めた作家の林真理子さんは、朝日新聞の取材に「当代きっての売れっ子作家。本当に残念です」と悼んだ。

 「本を読まない若い人も東野さんだけは読んで、それが映像化されてベストセラーになる。必ず新しいことを見せてくださるので、すごいなと思っていた」と語った。

 作家の奥田英朗(ひでお)さんは、一緒に銀座のクラブで飲んだり、ハーフマラソンに出場したりと親交があった。「一時代を築いた、あっぱれな人だった」と業績をたたえ、その人柄を「大人然(たいじんぜん)とした人」としのぶ。

 「うぬぼれたところやいばったところが全くなく、愚痴を聞いたこともない。編集者にも優しく人気のある人だった」

 同じく作家の村山由佳さんも、X(旧ツイッター)に「役者みたいに華のある方だった」と投稿。東野さんがある文学賞を受賞した時、「金屛風(びょうぶ)前での撮影の最後に、花束を片手で高く掲げてから壇を下りられた姿」が目に焼き付いているという。「同業者からも編集者からも慕われていた。安らかにと、心よりお祈り致します」

 東野作品は、映画やテレビドラマとして数多く映像化されてきた。

 2006年のドラマ「白夜行」(TBS系)は、脚本家の森下佳子さんが、「何度も読み返していた」という原作のドラマ化を局に提案したことで生まれた企画だ。

 初対面時、まだ駆け出しだった森下さんのプロット案に、東野さんは「印象的でいい」「やってみなさい」と背中を押してくれたという。森下さんは振り返る。「その言葉がどれだけうれしかったか。本当に度量が深く、懐の大きな方でした」

 同作で主演した俳優の綾瀬はるかさんは、所属事務所を通じて「雪穂という役に出会えたことは、私の俳優人生においてかけがえのない宝物です」とコメントを発表。

 「今でもこの作品や雪穂を愛してくださる方がたくさんいらっしゃることに、東野さんが生み出された物語の力の大きさをあらためて感じています。数えきれないほど多くの人の心を動かす物語を届けてくださり、本当にありがとうございます」と感謝をつづった。

 ドラマ「新参者」(TBS系)や映画「疾風ロンド」など、多くの映像化作品で主演した俳優の阿部寛さんも、取材に対しコメントを寄せた。

 「東野圭吾さんの訃報に接し、深い悲しみを感じています。『新参者』に出演できたことは、私の俳優人生における大きな転機となりました。東野さんとのご縁に、心から感謝しています。謹んでご冥福をお祈りいたします」

 映画「容疑者Xの献身」など「ガリレオ」シリーズの映像作品で主演した福山雅治さんはXを更新し、「東野先生作品の住人のひとりとして生きてきた私は、先生が作品に込めた命をとても近くに感じています。先生の命は今もここにあると。だからまだお別れの言葉を言えずにいます」と心境を吐露。「先生の作品の住人として、ひとりの読者として、生み出された物語にこれからも魅了され続けたいです」と思いをつづった。

朝日新聞デジタル2026年07月27日掲載