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2020年本屋大賞に凪良ゆうさん「流浪の月」

本屋大賞2020を受賞した凪良ゆうさん(本屋大賞事務局提供)

 全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ2020年本屋大賞(第17回)が4月7日、凪良ゆうさんの『流浪の月』(東京創元社)に決まった。

 受賞作は誘拐された少女と、誘拐した大学生の二人を軸に、恋愛とも友情ともとれない複雑な関係性を描いた小説。世間からは被害者と加害者としか見られず、理解が得られないなか、二人が再開したとき、真実が明らかになっていく……。凪良さんは京都市在住。2007年、男性同士の恋愛を描いたボーイズラブ(BL)小説で本格的にデビューした。

 本屋大賞は18年12月~19年11月の間に刊行された日本の小説が対象。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、発表会の様子を動画で配信した。凪良さんはビデオメッセージを寄せ、「遠くで光っているお星さまのような賞」と述べ、幼少期からの本屋とのエピソードを交えながら受賞の喜びを語った。

◆好書好日掲載の記事から

>凪良ゆうさん「流浪の月」インタビュー 理想像ではなく、生身の男性を 

>凪良ゆうさんが読んできた本たち 「作家の読書道」インタビューはこちら

 また、翻訳小説部門は『アーモンド』(ソン・ウォンピョン著、矢島暁子訳、祥伝社)が受賞。18年11月以前に刊行された本のなかから書店員が売りたい本を選ぶ発掘部門のなかから、「超発掘本!」として『無理難題が多すぎる』(土屋賢二著、文春文庫)が選ばれた。

◆2位以下の順位は以下の通り

2、「ライオンのおやつ」(小川糸、ポプラ社)

3、「線は、僕を描く」(砥上裕將、講談社)

4、「ノースライト」(横山秀夫、新潮社)

5、「熱源」(川越宗一、文藝春秋)

6、「medium霊媒探偵城塚翡翠」(相沢沙呼、講談社)

7、「夏物語」(川上未映子、文藝春秋)

8、「ムゲンのi」(知念実希人、双葉社)

9、「店長がバカすぎて」(早見和真、角川春樹事務所)

10、「むかしむかしあるところに、死体がありました。」(青柳碧人、双葉社)