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【謹賀新年】「好書好日」2021年に読まれた記事トップテンを公開!

1、大ヒット映画「花束みたいな恋をした」より深く楽しむ 麦と絹の恋を彩るブックリスト

 ある晩、終電を逃したことから偶然出会った大学生の山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。好きな作家や音楽、映画などが似ていることから意気投合し、あっという間に恋に落ちて――。大ヒットした映画「花束みたいな恋をした」には、二人の心の距離や時の経過を示す重要な小道具としてたびたび本が登場します。切ない恋のストーリーを追いながら、作中に出てくるタイトルを紹介する記事が2021年に最も読まれました。

>映画「花束みたいな恋をした」ブックリストはこちら

© 2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

2、「呪術廻戦」のキャラ・両面宿儺とはなにものか 考古学で読み解く「怪人」の正体

 最新15巻までの単行本の累計が3600万部を超える芥見下々(あくたみ・げげ)さんの人気漫画。その主人公である虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)の敵役として登場し、物語の鍵を握るのが、伝説の呪物・両面宿儺(りょうめんすくな)です。両面宿儺とはいったい何ものなのか、考古学から考察しました。

>考古学で読み解く「両面宿儺」の正体はこちら

大日山35号墳出土の両面人物埴輪の普通の顔

3、BL初心者のBL観を揺さぶった珠玉の5作

 BL入門者に向けて、毎月さまざまな切り口でおすすめのBL本を紹介する好書好日の人気連載「BLことはじめ」。ハイブリッド型総合書店hontoのBL専門フロア「すわんぷ」を担当する、井上將利さん、キヅイタラ・フダンシーさんが毎回、個性全開でお届けしています。その連載の担当編集がおよそ3年の連載を振り返り、BLを読んだことがない人にこそ読んでほしい、とにかく全力でおすすめしたい5作を紹介した記事がランクインしました。

>BL初心者だった担当編集オススメの5作はこちら

4、漫画「東京卍リベンジャーズ」が「ご当地リベンジャーズ」に? 47都道府県で地域限定新聞広告

 さえないフリーターの主人公が、暴走族の抗争に巻き込まれて死んだ中学時代の元恋人の命を救おうと、12年前と現在を行き来しながら過去の出来事を変えていく――。単行本の発行部数3500万部(2021年8月時点)を誇り、アニメ、映画、舞台にもなった人気作が、全国の朝日新聞朝刊の全面広告として登場しました。広告の絵柄が配布される都道府県ごとに異なり、SNSで話題を呼びました。

都道府県ごとに異なる絵柄の全面広告はこちら

5、荒木飛呂彦「ジョジョリオン」が完結 奇々怪々な描写・超越合戦、完全な異世界

 フランス文学者・中条省平さん(学習院大学教授)が、最近刊行された気になるマンガについてつづる連載「中条省平のマンガ時評」。『ジョジョの奇妙な冒険』の第8部『ジョジョリオン』が完結したタイミングで、改めて『ジョジョ』の魅力に触れた記事が人気になりました。

>『ジョジョリオン』は「マンガの視覚的表現においても、物語技法においても、現代日本マンガの極限をしるす作品」と中条さんがつづる記事はこちら

6、よしながふみさんの漫画「大奥」、ジェンダーを揺るがした大作がついに完結

 3代将軍・徳川家光の時代、男子のみを襲う謎の疫病が国中を襲い、将軍職は秘密裡に女子へと継がれていく――。大胆な設定でジェンダーをゆるがした、漫画家よしながふみさんの大作が、2021年2月、19巻の刊行をもって完結しました。17年に及ぶ連載を終えたよしながさんに、作品への思いを聞いています。

>よしながふみさんインタビューはこちら

>【中条省平のマンガ時評】よしながふみ「大奥」が完結 男女差別、政治権力の虚構性を暴く

『大奥』19巻表紙

7、「独学大全」読書猿さんインタビュー 学ぶとは、生い立ちや境遇から自由になる最後の砦

 788頁の分厚く重い「鈍器本」でありながら、刊行から約3カ月で14万部を突破し、読書好きの間で大きな話題を呼んだ一冊。独学をする上でのモチベーションの保ち方、時間の管理の仕方、資料の調査方法など、55の実践的な技法が紹介されています。著者の読書猿さんの「あなたがあきらめないかぎり、知はあなたを見放さない」という言葉が力強く響くインタビューです。

>読書猿さんのインタビューはこちら

8、「52ヘルツのクジラたち」町田そのこさんインタビュー 虐げられる人々の声なき声をすくう

 書店員の熱烈なプッシュを受けて、「2021年本屋大賞」に輝いた長編小説。親から長年にわたって虐待を受け、心に深い傷を負った女性が、言葉を発することができない少年との出会いを通じて、DVや児童虐待などの問題を浮き彫りにしていきます。声なき声に耳を澄ませる――。人とつながれないコロナ禍に響く一冊です。

>町田そのこさんインタビューはこちら

9、中村倫也さん「THE やんごとなき雑談」インタビュー 「自意識」が砕けたら、変な悩みも減るんじゃない?

 人気俳優の中村倫也さんが、2018年から約2年にわたって月刊誌で連載していたエッセイをまとめた初の著書を出版しました。自意識過剰でモテたかった学生時代のエピソードから、ブレイク後に感じたとまどい、自粛期間中に感じた不安まで。「毎月毎月潜る必要のない自分の中の深層に行って探す作業」を繰り返してきた中村さんの思考が伝わってきます。

>中村倫也さんインタビューはこちら

10、「わたしの幸せな結婚」顎木あくみさんインタビュー 累計300万部、和風シンデレラストーリーに胸キュン!

 明治・大正期を舞台に、義母や義妹に虐げられて育った美世(みよ)が、異能の力を持つ軍人・清霞(きよか)の元へ嫁ぎ、少しずつ幸せを知っていく和風シンデレラストーリー。累計300万部を突破し、漫画化もされている人気のキャラクター文芸です。生い立ちに恵まれず、自己否定感の強い主人公が変わっていく姿に、勇気づけられます。

>顎木あくみさんインタビューはこちら