「好書好日」2025年に読まれた記事 トップ10で振り返る話題の本
2025年6月公開の映画「国宝」で主人公・喜久雄を演じた吉沢亮さんのインタビューが、2025年に最も読まれた記事となりました。映画は邦画の実写作品の歴代1位となる大ヒットを記録。吉田修一さんの原作小説も2025年の文庫1位となるベストセラーに。吉田さんの2018年のインタビューもよく読まれました。
「2025年本屋大賞」に選ばれた阿部暁子さんの『カフネ』は、弟を亡くした野宮薫子が、弟の元恋人・小野寺せつなが勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝いながら、「食」を通じてせつなとの絆を深めていく物語です。他の作品を紹介した記事にも注目が集まりました。
小説家志望のライターが、文芸作品の公募新人賞受賞者に歯噛みしながら突撃取材し「なぜこの人は小説家になれたのか」を探求する連載。初回に登場した市川沙央さんが、芥川賞受賞後の苦悩を「好書好日」に語った回が大きな注目を集めました。同連載では以下の記事も人気でした。
NHK Eテレで2025年4月から9月まで放送されたテレビ番組「わたしの日々が、言葉になるまで」。小説家やシンガーソングライターら言葉のプロとともに表現のヒントを探る番組と連動して「好書好日」では出演者のオリジナルインタビューを掲載しました。その他、以下の記事も人気でした。
2025年7月24日発売の「週刊新潮」に掲載されたコラムで「日本名を使うな」などと名指しで差別を受けたとして、作家の深沢潮さんが新潮社に抗議。深沢さんの代理人弁護士は9月30日、新潮社と結んでいたすべての出版契約が終了したと明らかにしました。
第170回芥川賞は安堂ホセさんの「DTOPIA」と鈴木結生さんの「ゲーテはすべてを言った」、直木賞は伊与原新さんの「藍を継ぐ海」が受賞。選考委員による作品の講評や、受賞に至るまでの経緯を説明したコメントが今回も高い人気を集めました。
朝日新聞読書面の連載「売れてる本」。古代史研究に対する動向の変化を概説し、グローバルヒストリーという立場から新たな古代史像を提案した新書「新・古代史」を紹介した回が、古代史へのロマンを求める多くの人々の心をつかみました。
令和のホラーブームと言われる昨今、中でも人気を集めるのが「モキュメンタリーホラー」と呼ばれるスタイル。実録形式で書かれたホラー小説の中から、怪奇幻想ライターの朝宮運河さんが選りすぐった3冊を紹介したコラムが読まれました。
2025年11月に東京・神保町で開かれた韓国文学のお祭り「K-BOOKフェスティバル2025」。連動して全国の書店で展開された「K-BOOKフェア」参加書店の店員が、オススメのエッセイ5冊を紹介する企画が好評でした。その他、以下の記事もよく読まれました。
2025年に日本の作品として初めて、英国推理作家協会のダガー賞翻訳部門を受賞した王谷晶さんの小説『ババヤガの夜』。欧米圏で日本文学の注目度がますます高まっている背景などと合わせ、作品について紹介した記事が長期間にわたってよく読まれました。