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有賀薫さん「私の一品」 香ばしさ満点「焼きねぎ豚汁」、しっかり焼いて、旨味も引き出す

焼きねぎ豚汁=『有賀薫の豚汁レボリューション』(家の光協会)より、加藤新作 撮影

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有賀薫さん、スープ作りで提案する「いま」の食卓スタイル シンプルで楽に、旬の食材の生命感も

こんがり焼き目が香ばしい「焼きねぎ豚汁」

材料(2人分)

・長ねぎ(径2cmほどの太めのもの) 1本
・豚薄切り肉(バラ) 100g
・みそ 大さじ2と1/2
・サラダ油 大さじ1/2

作り方

1. 長ねぎは4cm幅のぶつ切りにする。豚肉は5cm幅に切る。深型のフライパンにサラダ油を中火で熱し、長ねぎを並べる。2分ほど動かさずに焼いて、焼き色がしっかりついたら裏面も焼く。

2. 水500mlを注いで、沸いたら豚肉を加える。

3. 4〜5分ほど煮てねぎが柔らかくなったらみそを溶き入れ、再び煮立てて火を止める。

出典:『有賀薫の豚汁レボリューション』(家の光協会)

有賀薫さん=北原千恵美撮影

有賀薫さんひとこと

 「焼きねぎ豚汁」のポイントは、長ねぎを焼いて「美味しそうだな」と思ったところから、もう一息、焼くこと。この後、水を入れて煮ると焼き目が薄くなってしまうので、とにかくしっかり焼くことが大事です。

 私のスープレシピには、食材を「焼く」という工程がわりと多いんですよね。焼いて旨味を引き出す。もともとは日々スープを作るなかで、うっかり焦がしちゃって、そこから美味しいスープができたという、失敗から得た発見でした。

 食材の種類や調味料をシンプルにしていくと、一つの食材をどれだけ活かしきれるか、一つの食材でどれだけ変化をつけられるかということが肝になってきます。「焼く」というのは、まさに食材に変化をつける方法の一つ。そこから、同じ食材でも部位や切り方、調理方法で全く別物になると考えるようになったんですよね。そうやって一つの食材からバリエーションを次々と作り出せるんだと気づいたことで、自分のスープレシピにも広がりが生まれたと思います。

(構成:岩本恵美)

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